「遮熱・断熱シート」は、夏は外からの熱を遮断し、冬は室内の暖かさを逃さないことで、快適な温度を保つアイテムとして、注目されています。
冷暖房効率を向上させられるので、SDGsの面からも無視できない存在です。
というわけで、今回は、
●遮熱シートの導入を考えている
●夏の暑さ対策を検討している方
●冬の寒さ対策を考えている方
に向けて、書かれた記事です。
遮熱・断熱シートの機能と効果、実際に使う際の選び方と、施工方法について詳しく解説します。季節を問わず快適な住まいを実現するために、遮熱・断熱シートの知識を深めていきましょう。
目次
遮熱シート・断熱シートは、どちらも快適な住環境を維持するためのアイテム。
工場や倉庫に施工することで、冷暖房の効率を高めて、光熱費の削減に役立ちます。が、一般の家庭でも窓や壁に貼ることで、外部からの熱を遮断し、冷暖房の効率を高めることもできます。
この章では、エネルギーコストを抑える、それぞれの役割について、ご紹介しましょう。
(1)遮熱シートの基本機能
(2)断熱シートの基本機能と特徴
(3)遮熱シートと断熱シートの違いと共通点
遮熱シートは、太陽光の赤外線を反射させることで、室温上昇を抑えるために使います。
遮熱シートは、赤外線を遮断することできるため、熱が室内に入りにくくなり、冷房効率が上がるからです。
なので、特に夏場はその効果が高いです。特に、日差しが強い西方向の窓に設置することで、冷房の負担を減らし、電気代削減に大きく役立ちます。
断熱シートは、遮熱シートと違い、冷気の侵入を防ぐとともに、室内の暖かい空気を保つことで保温性を高めます。
断熱シートが冷気を遮断し、暖房効率を高めることでエネルギーコストを抑えるためです。
冬場の使用に適しており、リビングや寝室での保温効果が特に期待できます。
遮熱シートと断熱シートは、ともに温度管理を助けるアイテムですが、前述した通り、それぞれ機能に違いがあります。
遮熱シートは太陽光を反射し、断熱シートは外気を遮断して、室温を保ちます。
遮熱シート | 断熱シート |
---|---|
輻射熱を反射 | 外気を遮断 |
外気温を遮断して室温を上げない | 室温を一定に保つ |
ストーブなどの電磁波(輻射熱)も室内に留める | 空気層を厚くして熱の伝わりを遅らせる |
どちらも、異なる用途ですが、これを使い分けることで、快適性と省エネ効果の向上と言う点で、共通点があります。
遮熱・断熱シートは、冷暖房効率を高めることで快適な環境作りとエネルギー削減に役立つとお伝えしました。
この章では、さらに踏み込んで、それぞれのメリットデメリットについて、ご紹介します。
①遮熱シートのメリットデメリット
②断熱シートのメリットデメリット
③効果的な使用方法と注意すべきポイント
一つずつ見ていきましょう。
遮熱シートは、夏場の室温を抑え、冷房効率を向上させるメリットがあります。
なぜなら、遮熱シートが日差しを反射し、室内温度の上昇を防ぐためです。
具体的には、南向きの窓など直射日光を受けやすい場所に貼ることで冷房負荷が減り、電気代削減が期待できます。
一方で、遮熱シートは、対流熱や伝導熱を上げないため、断熱材のように、空気層を作って、温度を保つ効果はありません。
●対流熱=エアコンのように風や空気で伝わる熱
●伝導熱=熱いコーヒー缶やカイロなど、直接触れて感じる熱
断熱シートの主な利点は、冬場の暖房効率を高め、保温性を強化できる点です。
空気層を作ることで、冷気の侵入を防ぎ、かつ、暖かい空気を逃さないことで暖房効果が高まるからです。
特に寒冷地や冷え込む寝室で使うと、快適な温度が保たれ、エネルギー消費も抑えられます。
一方で、断熱シートには、太陽光などの輻射熱を吸収してしまうため、輻射熱効果は期待できません。
●輻射熱
=赤外線などの熱線(電磁波)によって伝わる熱。電磁波が何かの物体に当たった際に発生する熱のこと。太陽や焼却炉などから放出される熱。
遮熱・断熱シートの効果を引き出すためには、しっかりと貼り付けることが重要です。
隙間があると効果が低減し、冷暖房効率も下がるためです。
シートを施工する際は、空気が入らないよう密着させ、適切な場所に設置することで効果が最大限に発揮されます。
遮熱・断熱シートを選ぶ際は、目的に合わせたシートを選ぶことが大切です。
防熱や遮熱が必要な夏場は遮熱シート、保温性が求められる冬場は断熱シートが適しています。
以下、選び方のポイントとおすすめの遮熱・断熱シートをご紹介します。
❶選ぶ際のポイントとチェック項目
❷おすすめの遮熱シート
❸おすすめの断熱シート
遮熱・断熱シートは、反射率や厚み、透明度といった性能に注目して選ぶことがポイントです。
高い反射率のものは遮熱効果が高く、厚みがあると断熱効果が強化されます。
性能の違いが遮熱・断熱の効果に直結するからで、必要な用途に合うシートを選ぶことが重要です。
遮熱シートは、反射率が高くUVカット機能を備えたものが特におすすめです。
紫外線を遮りつつ日差しを反射することで、夏場の室温上昇を防げるからです。
透明度が高いタイプも多く、リビングやオフィスの窓に適した商品が豊富です。
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断熱シートは、冬場の保温性を重視して厚みや構造を選ぶのがポイント。
厚みがあると冷気の侵入を防ぎ、部屋の暖かさが長続きするからです。
多層構造で高い保温性を持つタイプは、寝室やリビングでの使用に適しており、快適な温度が保たれます。
遮熱・断熱シートの施工は、屋根や壁など、専門業者に依頼しないと施工が難しい箇所もある一方で、個人で作業できる箇所もあります。
ただし、床や屋根へのDIYは、気軽にできません。なので、個人でできる対策は限りがあります。
というわけで、今回は、一番簡単な方法を3つご紹介します。
<1>窓に遮熱シートを貼る
<2>窓に遮熱カーテンを設置する
<3>床暖房または断熱シートを敷く
まずは、窓の遮熱を考えましょう。その理由は、夏に窓から侵入する熱が全体の74%にも達するから、です。
選ぶなら、樹脂窓です。YKKapより引用
窓ガラス用の遮熱シートは、窓に貼るだけの便利なシート。100均のお店や、ホームセンターで、気軽に購入できます。
以下に施工方法と注意点です。
施工前には、貼り付ける面の清掃を徹底することが重要です。なぜなら、ほこりや油分があるとシートがしっかり貼りつかず、効果が低下するからです。専用のヘラやスプレーボトルがあると作業がスムーズで、シートの性能が保たれやすくなります。
シートを端からゆっくりと貼り始め、空気が入らないように均等にヘラで押し付けることが大切です。空気が入ると密着度が低下し、遮熱・断熱の効果が薄れるからです。特に大きな窓には補助があるとスムーズで、シートがしっかり固定されます。
施工後も定期的なメンテナンスで効果が持続します。汚れやほこりが溜まると透明度や性能が低下するからです。柔らかい布での清掃を心がけると、シートの効果を長期間にわたって維持でき、快適な温度管理が可能になります。
前述した通り、夏に部屋に入ってくる熱のほとんどが窓からの侵入です。なので、遮熱シートを窓に貼ったら、次に、遮熱カーテンを検討しましょう。
遮熱カーテン=輻射熱を反射するカーテン
少し予算はかかってしまうかもしれませんが、手軽に設置できることがお勧めできる理由でもあります。
最後に、床対策です。一番理想的なのは、床下に遮熱シートや断熱材を入れること。また床暖房という手もありますがが、やはり、予算的に難しいという方も多いと思います。なので、断熱シートを床に貼るというのが一番現実的でおすすめです。
断熱シートは、床から上がってくる寒さ対策として、とても有効。カーペットを敷くだけでも効果があります。とくに、ホームセンターでは、厚さ15mmのものがあるので、そのくらいの厚さがあれば、床からの冷気の遮断には効果的です。
遮熱・断熱シートは、温度のコントロールにより快適な住環境をサポートするアイテムです。
遮熱シートは夏場の日差しを反射して室内の温度上昇を抑え、断熱シートは冬の冷気を遮断して暖房効率を高める効果があります。
それぞれの特徴を理解し、季節や設置場所に合わせて最適なシートを選ぶことが大切です。
また、適切に施工することで効果が最大限に発揮され、省エネやエネルギーコスト削減に繋がります。
遮熱・断熱シートを活用して、快適で経済的な暮らしを手に入れましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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