倉庫に換気扇は必要?導入費用から導入の流れまでをご紹介

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倉庫を運営する上で、換気に関する課題に取り組む企業が多いようです。

多くの物品を保管する倉庫では、製品の品質保持や働く従業員が安心して作業できる労働環境を構築するという意味では避けては通れない課題です。

この記事では倉庫内の空気に関する課題や問題を解決する有効な方法として“換気扇の設置”について重要な次の3つのポイントを確認することができます。

・換気扇の必要性

・換気扇の種類と特徴

・換気扇の導入の流れ

換気をすることで得られるメリットは様々です。

倉庫内の作業効率の向上や、空気に関する様々なリスク回避を検討する際にお役立てください。

倉庫に換気扇は必要?

倉庫での換気扇の必要性は、企業がかかえる課題や問題によって異なります。

導入を検討する上で解決したい課題や問題を整理することは換気の導入効果を最大化するために重要です。

ここでは換気扇を導入することで得られる4つのメリットや効果を紹介していますので、自社の問題と照らし合わせて参考にしてください。

空調の電気代のコスト削減

倉庫など容積の大きい施設の温度調整には、大きなエネルギーと電気代が必要となります。

企業にとって重要なコストの問題を緩和するために換気扇の利用は有効な方法です。

換気とは建物内の空気を排出し、新しい空気を取り入れることです。

夏場の日射熱などで倉庫内にこもった熱気を冷やすためには空調設備のみをフル稼働させるよりも、換気で内部の熱気を排出し空調設備で冷却した方がエネルギーの消費量は抑えられ、電気代の削減につながります。

換気扇を導入することにより電気代のコスト削減はもちろん、省エネ対策やSDGsの観点からも効果が期待できます。

熱中症のリスク低下

暑い倉庫内で作業する従業員は熱中症のリスクにさらされています。

従業員が熱中症になれば健康面はもとより作業効率や生産性の低下で損失を出してしまうリスクも考えなくてはいけません。

換気扇は屋外に熱気を排出する役割に加え、換気により倉庫内に空気の流れをつくりだします。気流により倉庫内で作業する従業員の体感温度は下がり、熱中症のリスクを軽減することができるのです。

もちろん、真夏の倉庫内の熱気に対して換気だけで有効な対処ができるわけではないので、空調設備との併用による効率のよい温度管理を行うことをおすすめします。

粉じん対策

倉庫内にあるホコリや砂、その他様々な粉じんは物の移動や従業員の活動により倉庫内に浮遊します。

浮遊する粉じんは倉庫内で仕事をする人の健康や、保管する製品などにも悪い影響を与えることがあり、なるべく屋外に排出したいものです。

換気扇を使用することで空気の入れ替えが行われるため、浮遊する粉じんも空気と一緒に外へ排出されることになります。

換気扇を導入することで、従業員の健康や製品管理の手助けになります。

感染対策

粉じんより小さく、常に空気中を漂うウイルスや細菌は感染症の原因となります。

風邪やインフルエンザ、近年では新型コロナウイルスの流行など目に見えないリスクは当然のように空気中に潜んでいます。

これらウイルスの怖さは建物などの密閉された同じ空気を共有する空間で蔓延しやすく、ウイルスの種類や感染者の数によっては業務の停止や施設の閉鎖などのリスクがあり、甚大な被害となる危険性があることです。

換気扇で屋内の空気を外に排出することで新しい空気に入れ替わり、目に見えないウイルスや細菌を排除する効果が見込めます。

換気扇の種類と特徴

倉庫で活躍する換気扇にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

運営する倉庫の特性に合わせてかかえている課題や問題に対処していくためには、換気扇の種類と特徴を把握して適切な換気扇を選択することが重要です。

ここでは倉庫で使用できる代表的な3種類の換気扇とその特徴を紹介しますので、適切な選択の目安としてご確認ください。

ソーラー換気扇

ソーラー換気扇は太陽光を利用した電源不要の省エネ換気扇で、比較的手軽に設置できる換気扇です。

特徴

動力は太陽光なのでランニングコストはかかりません。

換気扇の設置位置についても比較的自由度が高く、屋上換気扇などと比べると施工も容易です。

ただし、換気扇以外にソーラーパネルを設置する必要があり、ソーラーパネルの設置場所や位置によっては架台を要します。

太陽光が電源なので、曇りや雨天時の換気についても事前に検討しておきましょう。

価格帯

50,000円~150,000円

※施工個所によって価格が異なります。

有圧換気扇

有圧換気扇とは空気に圧力をかけて屋内の空気を排出して空気を循環させる換気扇で、空気に圧力をかけて換気を行うことから「有圧」と言われます。

特徴

最大の特徴は外的要因に左右されず、一定の空気圧で換気できることです。

自然換気などは外からの風で空気が逆流することがあり換気能力にムラがありますが、有圧換気扇は電源を入れておくことで、常に内部の空気をファンの回転で排出することができます。

主に倉庫や工場、店舗などに使用されている換気扇で、一般の換気扇と比べて大量の空気を換気することができる換気扇です。

壁付けで設置するので雨水の侵入などの心配は少なくなりますが、隣接する建物があれば騒音や煙などには十分な配慮が必要です。

価格帯

1台あたり50,000円~150,000円程度

※大きさ(換気能力)や施工状況によって価格差があります。

屋上換気扇

屋上換気扇はベンチレーターとも呼ばれ、気流や温度差などを利用して自然に換気を行います。

特徴

気流や温度差などを利用して換気を行うため電気を使用せず、ランニングコストはかかりません。

屋外に設置するためサビにくいアルミやステンレス、ガルバリウム鋼板のものが多く、吸気用、排気用の双方で換気を行うものもあります。

ステンレスやガルバリウム鋼板製なので丈夫でサビにくく頻繁にメンテナンスを行う必要もありませんが、もらいサビや飛来物などによる劣化や損傷を受け雨漏りの原因になることもありますので、定期的に点検やメンテナンスを行うと安心です。

非常に稀ですが施工の状態や劣化、自然環境などにより雨水の侵入が発生することにも注意が必要です。

価格帯

1台あたり100,000円~400,000円程度

※大きさ(換気能力)や施工状況によって価格差があります。

換気扇の導入の流れ

換気扇を導入する流れについて説明します。

導入までの重要なポイントを次の3点に要約しています。

・現場実測

・提案書・御見積書を提示

・契約完了後取付

大まかな流れを確認して、換気扇を導入するまでの期間や費用などの工事計画をたてることは重要です。

計画の中で細かい微調整も必要となるでしょうが、ポイントを抑えておけば失敗の可能性も軽減されます。

現場実測

倉庫に換気扇を導入するためには、現場での実測が欠かせません。

現場実測では導入の前に容積に対して必要な換気量を確保するために数量、製品仕様、効果的に換気するための設置位置などの必要な情報を事前に確認します。

実測を基に正確な見積もりを算定し、現場調査した倉庫に適切な換気扇の提案内容を作成します。

なお、現場実測の際に自社でかかえている問題点や換気に関する悩みなどを実測業者に伝えておくとよいでしょう。

換気扇を導入する際に十分な調査を行うことは、倉庫内の効果的な換気を行うためにとても重要です。

提案書・御見積書を提示

現場での実測・調査が完了したら、数週間程度で提案書や見積書が提示されます。

提案書では、導入に関する施工の手順や効果的な製品の案内、施工後のイメージや効果の予測などの細かい詳細が記載されます。

そして、提案書の内容に基づいた見積書の提示により、価格を含めた工事の全体像が見えてきます。

提案書や見積書が提示された時のポイントは“質問をすること”です。

自社でかかえる問題を解決できるのか、導入した場合のリスクは何なのかなどは提案書に具体的な内容が記載されていないこともあるので確認することをおすすめします。

費用対効果を最大化できるよう、この時点で施工内容や価格について十分な協議を行うことが重要です。

契約完了後、換気扇取付

契約内容を確認し契約の締結が完了した後は、いよいよ取付工事です。

換気扇の取付工事時間は取り付ける換気扇や数によって変わります。壁付けの有圧換気扇と屋根付けのベンチレーターでは作業工程も大きく変わるし、取り付ける個数が多ければ完了までの時間も長くなります。

なお、工事が1日で終わらない場合は、工事をしていない時間帯の雨水対策などは十分に確認しておきましょう。

また倉庫での作業時間と取付工事が干渉して問題があるのかどうかなどは事前に確認しておくと倉庫内での作業や取付工事がスムーズに行えます。

まとめ

倉庫に換気扇を導入することには、企業にとっても働く従業員個人にとっても多くのメリットがあります。

そのメリットを最大限に活かすためには設置を検討する倉庫の特性や課題や問題点を把握した上で解決方法を選択する必要があります。

どのタイプの換気扇をどの位置に設置するのか?本当に換気扇が有効なのか?

空調設備の見直しや大型シーリングファンの設置など空気にまつわる多くの対策がある中で費用対効果が高い方法は何か?

社内だけでは解決法が見いだせないものもあるため、一度専門の業者に見に来てもらうのもよいでしょう。

空気というとても身近なものだからこそ、適切な取り扱いで自社の生産性を向上させる要因になるはずです。

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