遮熱と断熱の違いとは?その違いがわかりますか?
同じように聞こえるけど、じつはそれぞれ意味が違います。
結論から言うと
なのです。でも、そう言われても、まだよくわからないとかありませんか?
それはそうです。なぜなら、正直、それぞれの違いを理解している人は、それほど多くないから、です。
というわけで、今回は
という疑問にお答えする記事です。
遮熱と断熱の違いとは?そして、それぞれの特徴。さらには、効果的な組み合わせで、一年を通して、快適な住環境を実現しましょう!
執筆者
株式会社エビスは「遮熱・断熱のソリューション企業」です。これまで遮熱シート『COOL FACE』を用いて、工場・倉庫などの現場課題に向き合ってきました。その実務経験をもとに執筆しています。
目次
まず、遮熱と断熱の違い。2つは、同じ意味のように感じます。が、じつは意味が違うとお伝えしました。
もちろん、どちらも建物内の快適さを保つために重要ですが、その役割はそれぞれ異なります。
この章では、遮熱と断熱の違いの基本として
①遮熱と断熱の基本概念
②遮熱と断熱の違いが重要な理由とは?
③遮熱断熱の違いを知ってどっちを選べばいい?
をお伝えします。
一つずつ見ていきましょう。
基本概念 | 効果 | 使用場所 | |
---|---|---|---|
遮熱(しゃねつ) | 熱エネルギーを侵入を防ぐ | 夏季の室内温度の上昇を防ぐ | 窓や屋根 |
断熱(だんねつ) | 熱の出入りを防ぐ | 部屋を冬の寒さから守る技術 | 外壁や床 |
まず、遮熱とは?
それは、太陽の輻射熱(ふくしゃねつ)を反射させて、熱エネルギーを侵入を防ぐこと、です。
つまり、太陽光や外気の熱が建物内に入るのを防ぐ、のが遮熱です。遮熱することで、部屋の温度の温度上昇を和らげることができます。とくに、夏季の室内温度の上昇を防ぐのに、効果的です。
そのため、遮熱材は、窓や屋根に使われることが多いです。
一方の断熱は?というと、こちらは室内外の温度差に関わらず熱の出入りを防ぐこと、です。
つまり、建物全体の「熱伝導」を遅らせて、部屋を冬の寒さから守る技術です。
断熱材は、外壁や床に使用されて、室内温度を維持します。(暖房効率を高めます)
遮熱と断熱は、季節や気候によっても求められる効果が異なります。
例えば、夏は遮熱を強化します。そして、室内温度の上昇を防いで、エアコンの効率が高めます。
一方、冬は断熱が重視。こちらは、暖房効果を最大化するために重要です。
(季節ごとの快適さの維持と、エネルギーコストの削減に繋がります)
というわけで、遮熱と断熱、どちらを選べば良いか?
もうわかりますよね?
です。
ただ、建物の構造や使用方法によっても選ぶべき対策は異なります。
例えば、日差しが強い南向きの部屋には、遮熱対策が効果的です。一方で、外気温が低い地域での省エネには断熱が欠かせません。
両者の特徴を踏まえた上で、最適な対策を選びましょう。
ここ数年、夏の暑さは、年々増して、遮熱対策はもはや必須の環境です。
ここでは、遮熱対策で、室内温度を低く保つ施策を考えてみましょう。それは、冷房効率を向上させる効果的です。
この章では、遮熱の仕組みと効果を最大にする施策として
❶夏の暑さ対策に!遮熱が効果的なシーンとその仕組み。
❷遮熱材の種類と選び方:窓用、屋根用のベストな選択。
❸遮熱を効果的にするための工夫と失敗しないためのポイント。
をご紹介します。
一つずつ見ていきましょう。
遮熱は、太陽の輻射熱を反射させます。そのことで、エアコンの負荷を減らし、電気代の節約につながります。
そのさい、遮熱材として使われるのは、窓に貼る遮熱フィルム。または、屋根や壁に施工する遮熱塗料などが一般的です。が、どちらも、おもに建物外部で行うのが基本です。とくに、窓や屋根といった熱の出入りが大きい場所に使うと効果的です。
さらに、代表的な遮熱材料には、高反射率塗料や金属箔などがあります。
遮熱シートや遮熱ガラスフィルムを特に南や西側の窓に貼る施工が推奨されます。遮熱材料は、主に反射性や熱吸収性の高い素材が用いられます。また、建物の外壁や屋根に塗布したり、フィルムとして貼り付けたりします。
遮熱材には、窓用のフィルムや屋根用の遮熱塗料などがあります。
窓には、日差しを直接受ける場所に遮熱フィルム使います。そして、屋根には遮熱塗料を塗布するのが効果的です。
遮熱材を選ぶ際には、地域や環境に応じて、適した素材や施工方法を選びます。そのことで、より効果を実感できるから、です。さらに、製品ごとの特徴を理解して、最適なものを選びましょう。
遮熱効果を最大限にするためには、遮熱シートの貼り方。そして、屋根に塗布するタイミングが重要です。
特に夏前の施工が効果的で、施工の際に隙間がないようにすることがポイントです。
また、窓や壁だけだと少し物足りない可能性があります。そのため、屋根や天井などの遮熱対策も合わせておこなうと、さらに効果的です。
遮熱は「夏の暑さをどう防ぐか?」がカギになります。
太陽の熱が直接室内に入るのを防ぐ。そのことで、エアコンの負担が減り、光熱費の節約にもつながります。
しかし、どこにどのように施工すればよいのか?を間違えると、十分な効果が得られないこともあります。
なぜなら、遮熱シートを貼るだけでは不十分だから。施工する場所や方法によって効果が大きく変わります。
この章では、よく使われる施工方法を3つ紹介します。
⓵遮熱シートの施工手順
⓶屋根・壁の遮熱塗料の塗り方
⓷窓用遮熱フィルムの施工ポイント
遮熱シートは「屋根の裏側」や「窓ガラス」に施工するのが基本です。
屋根に施工すれば、直射日光による熱の侵入を防げます。窓に貼ることで、室内の温度上昇を抑える効果が期待できます。
ただし、遮熱シートには適切な施工方法があります。例えば、屋根裏に貼る場合は、空気の流れを確保しなければなりません。空気がこもると逆に熱が溜まり、期待した効果が得られなくなるためです。窓ガラスに貼る場合は、気泡が入らないように丁寧に施工することが重要です。
正しく施工すれば、夏の暑さ対策として非常に有効です。
遮熱塗料は、屋根や外壁に塗る。そのことで太陽光の熱を反射し、建物の温度上昇を抑える方法です。
ただし、塗料の選び方が重要になります。特に白系の塗料は反射率が高く、より効果的です。
施工時のポイント
屋根に塗る場合は、夏の直射日光を避け、春や秋の涼しい時期に施工する。その方が作業がしやすいです。
窓からの熱の侵入を防ぐには、遮熱フィルムを貼るのが効果的です。
しかし、貼り方次第で効果に大きな違いが出ます。例えば、フィルムを貼る前に窓ガラスの汚れを完全に取り除くことが重要です。汚れが残っているとフィルムがしっかり密着せず、剥がれやすくなるためです。
また、気泡が入ると見た目が悪くなるだけでなく、遮熱効果も低下します。施工後は、1日ほど乾燥させましょう。すると、フィルムがしっかり密着し、長持ちしやすくなります。
次に断熱についても見ていきましょう。
冬の寒さを防ぐには、断熱が必須です。
断熱材は、主に外壁や床に使用され、暖房の効率を高め、室内温度を一定に保ちます。
断熱は、特に気密性が重要で、すき間があると効果が薄れます。建物全体を覆うように断熱を行うことで、快適さも向上するのです。が、断熱材の選択肢も多様です。使用する場所や建物の構造によって適した素材を選ぶことが大切です。
この章では、冬を快適に過ごす断熱の基本知識として
<1>冬の寒さ対策には必須!断熱のメカニズムと効果。
<2>断熱材の種類と特徴:用途に応じた選び方のコツ。
<3>断熱リフォームのメリットと注意点:費用対効果を考える。
を見ていきましょう。
断熱は、外気温の影響を抑え、室内の暖かさを保つために効果的です。
特に冬季の寒冷地域での使用が推奨され、冷気の侵入を防ぎます。
断熱材は、熱伝導率の低い素材です。そのため、適切に施工することで、快適な室内環境を維持できます。
断熱材には、グラスウールや発泡スチロール。さらに、ウレタンフォームなどが一般的な断熱材料として知られています。
例えば、屋根には、軽量なグラスウールが使用されます。反対に、床下には頑丈なボード状の断熱材が向いています。
断熱材料は、熱伝導率の低い素材が使用されることが多いです。、壁や天井、床の内部に充填されるため、です。
朝日新聞デジタルより
断熱リフォームは、初期費用がかかるものの、長期的な光熱費の削減につながります。
ただし、リフォームの際には断熱材の選定や、施工箇所の状態に注意が必要です。
費用対効果を考慮した適切なリフォームで、住まいの快適性が大きく向上します。
断熱は「冬の寒さをどう防ぐか?」がポイントになります。
寒い日でも室内を快適に保ち、暖房の効率を上げる。そのためには、適切な場所に断熱材を施工することが大切です。
断熱材の設置場所や種類によって、暖房の効き方が変わります。なので、正しい施工方法を知っておくことが重要です。
この章では、基本的な施工方法を3つ紹介します。
《1》外壁断熱の施工手順
《2》床下・天井の断熱材の施工方法
《3》DIYでできる断熱対策
一つずつ見ていきましょう。
外壁に断熱材を施工する。そうすることで、冬の冷気の侵入を防ぎ、室内の暖かさをキープできます。
外壁断熱には「外張り断熱」と「充填断熱」の2種類があります。外張り断熱は、建物の外側に断熱材を貼る方法です。気密性が高く、断熱効果が優れています。
一方、充填断熱は、壁の内部に断熱材を詰める方法です。こちらは、コストを抑えながら施工しやすいのが特徴です。
施工の際は、隙間ができないようにしっかりと密着させることが大切です。隙間があると、そこから冷気が入り込み、断熱効果が下がってしまいます。
冷たい空気は下にたまりやすいため、床下の断熱も重要です。
特に木造住宅では、床下に隙間があると、そこから冷気が入り込みます。そのため、断熱材を敷き詰めることで冬でも足元が冷たくなりにくくなります。
また、施工時には、厚みのある断熱材を選ぶと効果的です。さらに天井も同様です。なぜなら、暖かい空気は上へ逃げやすいため、です。
しっかりと断熱材を施工することで暖房の効率が向上します。
断熱リフォームを業者に依頼すると費用がかかります。が、自分でできる簡単な対策もあります。
例えば、窓に断熱シートを貼るだけでも、室内の暖かさをキープしやすくなります。また、すき間テープを使い、ドアや窓のすき間を塞ぐことで、外気の侵入を防げます。
意外と見落としがちなのがカーテンです。厚手のカーテンに変えるだけでも、窓からの冷気を大幅にカットできます。
このような簡単なDIY対策でも、冬の寒さを和らげる効果があります。
ここまで、遮熱と断熱をそれぞれ説明しました。が、この2つを組み合わせれば、夏も冬も快適な住環境が作れそうです。
遮熱で夏の暑さを和らげ、断熱で冬の寒さを防ぐ。そのことで、冷暖房の使用頻度を減らし、省エネ効果が期待できます。
ただし、遮熱と断熱を併用するときは、目的や気候に応じた対策が必要です。
ということで、この章では遮熱と断熱の併用について
(1)遮熱と断熱を併用するメリットと効果の違い。
(2)理想的な住環境を作るための遮熱・断熱のバランス。
(3)併用する場合の注意点と、地域や建物に応じた最適な選択。
をご紹介します。
遮熱と断熱の併用は、効果を相互に補完し合います。
遮熱は、主に夏の暑さ対策として外からの熱を反射します。反対に、断熱は、冬の寒さ対策として室内の熱を保持します。
両方を用いることで、年間を通じてエアコンや暖房の使用頻度を減らします。つまり、それは省エネにつながります。
遮熱と断熱のそれぞれの良さを活かすことで、快適な住環境の実現に近づきます。
地域や住宅の構造に合わせて、遮熱と断熱のバランスを取ることが重要です。
暑い地域では遮熱を重視し、寒冷地では断熱が不可欠となります。また、遮熱と断熱を適切に配置することで、エアコンや暖房の効率を最大化できます。
適切なバランスを保つことが、冷暖房の負荷を軽減し、快適な住まいを作ります。
遮熱と断熱を併用する際には、地域の気候や建物の特性に合わせます。その上で、対策を講じることがポイント。
例えば、南向きの窓には遮熱フィルム。そして、外壁には断熱材を使用する。など、部位ごとに適した対策を選びましょう。
季節や用途に応じて柔軟に対策を調整しましょう。それが、長期的なエネルギーコストの削減と住まいの快適性向上につながります。
遮熱と断熱は、住まいの快適さを保つために欠かせない技術です。
遮熱は、主に夏の暑さ対策です。太陽からの輻射熱を反射し、室内温度の上昇を防ぎます。
一方、断熱は冬の寒さ対策。こちらは、外気温と室内温度の差を緩やかにし、暖房効率を高めます。
両者の違いを理解し、目的に合わせて適切に使い分けることがポイント。この相乗効果が、一年を通じて室内の温度変化を抑え、省エネ効果を高めます。
地域の気候や住宅の構造を考慮して、遮熱と断熱。それぞれの特性を活かした対策を取り入れましょう。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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